会議の記録をAIで楽にしたいと調べていくと、「AI議事録ツール」「AI文字起こしツール」「AIボイスレコーダー」と、似た言葉がいくつも出てきます。
どれも音声をテキストにして要点を整理してくれる、という点では重なるため、何がどう違うのか分かりにくくなりがちです。
その結果、「録音できる端末を買うべきなのか、それともソフト型のサービスで足りるのか」で迷ってしまう人も少なくないのではないでしょうか。
たとえば、AI議事録ツールをわざわざ契約するほどなのか、録音できるデバイスが1つあれば足りるのか。
あるいは、個人の商談メモとして使いたいのか、チームで共有する会議記録として残したいのか。
このあたりがはっきりしないままだと、どれを選んでも自分の使い方に合っているのか判断しづらくなります。
先に大きな整理をしておきます。
違いをざっくり分けると、ソフトウェア中心で文字起こし・要約・共有・管理を行う「AI議事録ツール」型と、録音デバイスを手元に置いて会話を確実に残す「AIボイスレコーダー」型の2つがあります。
どちらが優れているという話ではなく、会議の種類・人数・共有範囲・情報管理のルールによって、向く形が変わります。
この記事では、まず3つの言葉の違いを整理し、そのうえで個人利用・チーム利用・対面会議・オンライン会議という軸で、自分にはどのタイプが合うかを判断できるようにしていきましょう。
AIボイスレコーダーそのものの使い道や、Plaud と Notta Memo の比較をまだ読んでいない人は、「AIボイスレコーダーで会議メモはどこまで楽になるか」や「PlaudとNotta Memoの違い」もあわせて読むと、この記事の分類が理解しやすくなります。
AI議事録ツールとAIボイスレコーダーの違い
まずは、よく混同される言葉の違いを整理します。
AI議事録ツールはソフトウェア中心
AI議事録ツールは、パソコンやスマホ、Web会議サービスと連携して、文字起こし・要約・共有・管理をソフトウェア上で行うタイプです。
オンライン会議の音声をそのまま取り込んだり、録音済みの音声ファイルをアップロードしたりして、テキスト化と要約を行い、その記録をソフト側で蓄積・検索・共有していく、という流れになります。
AI文字起こしツールも、この「ソフトウェア中心で音声をテキストにする」仲間と考えると整理しやすいです。
重心は「録ったあと、どう整理して共有・管理するか」にあります。
AIボイスレコーダーは録音デバイス中心
AIボイスレコーダーは、録音用の専用デバイスを手元に置いて使うタイプです。
商談や取材の場で端末を使って録音し、あとからアプリ側で文字起こしや要約を確認する、という流れが基本です。
重心は「まず音声を確実に残す」ことにあります。
スマホやPCの画面を触らずに録音を始められるので、対面の会話に集中したい場面と相性が良い形です。
どちらも文字起こし・要約後の確認は必要
タイプは違っても、共通して言えることがあります。それは、AIの文字起こしや要約をそのまま正解として使えるわけではない、という点です。
専門用語や固有名詞の取り違え、複数人が同時に話したときの聞き取りミス、要約での論点の抜けは、どちらのタイプでも起こり得ます。
AIの出力は「確定した議事録」ではなく「確認前の下書き」として扱い、人の目で仕上げる作業はどちらを選んでも残ります。
ここを前提にすると、過度な期待でつまずきにくくなります。
AI議事録ツールが向いているケース
ソフトウェア中心のAI議事録ツールは、次のようなケースで向きやすい形です。当てはまる項目が多いほど候補になります。
オンライン会議が多い
ZoomやTeams、Google Meetなどのオンライン会議が多い人に向きやすい形です。
画面共有を見ながら発言もして、さらにメモも取る、という同時作業はオンライン会議で増えがちです。
ソフト側で音声を文字起こしし、要点を整理できると、会議そのものに集中しやすくなります。
会議メモをチームで共有したい
会議の記録を自分だけでなく、チームのメンバーと共有したい場合にも向きます。
文字起こしや要約をソフト上で共有できると、会議に出られなかった人への連携や、決定事項の確認がしやすくなります。
記録を個人のメモで止めず、チームで使いたい人に合う形です。
会議データをまとめて管理したい
複数の会議の記録を、まとめて蓄積・検索・管理したい人にも向きます。
「あの会議で何を決めたか」をあとから探したいとき、ソフト側に記録が整理されていると見返しやすくなります。
単発で残すより、会議データを資産として貯めていきたい人に合う形です。
法人・チーム運用を考えている
個人ではなく、会社やチームとして会議記録の運用を整えたい場合にも向きます。
利用人数や共有範囲、セキュリティの考え方は、個人利用とチーム利用で変わってきます。
チーム・法人での運用を前提にするなら、そうした用途を想定したサービスを選ぶと、あとから運用に乗せやすくなります。
AIボイスレコーダーが向いているケース
録音デバイス中心のAIボイスレコーダーは、次のようなケースで向きやすい形です。
対面の商談や取材が多い
クライアントとの商談や、取材・ヒアリングのように、対面で相手の話を記録したい場面が多い人に向きやすい形です。
専用の録音端末を会話の場に置いておけるので、その場ではメモを最小限にして相手の話に集中し、細かい確認はあとから録音とテキストで振り返る、という進め方ができます。
スマホやPCに依存せず録音したい
会議中にスマホを取り出して録音アプリを操作するのは、相手によっては気が散る印象を与えることがあります。
端末型なら録音の操作を端末側で完結できるため、会議中にスマホやPCをいじらずに済みます。手元の機器をできるだけ触らずに、目の前の会話に集中したい人に向きます。
外出先で会話を記録したい
オフィスの外での打ち合わせや、移動中の会話を記録したい人にも合います。
普段使いのスマホとは別に録音用の端末を持っておけると、ストレージや通知に左右されず、必要な場面で確実に録音を始められます。
外回りや出張が多い人にも使いやすい形です。
個人のメモ用途から始めたい
まずは自分用のメモとして、小さく始めたい人にも向きます。
チーム共有の仕組みを整える前に、自分の商談や取材の記録から試してみたい、という入り方ができます。
個人のメモ用途から始めて、使い勝手を確かめたい人に合う形です。
主要候補の位置づけ
ここで、よく名前が挙がる候補が、それぞれどのタイプにあたるのかを整理しておきます。スペックの優劣ではなく、立ち位置の違いとして見てください。
Plaud:対面・商談・取材の録音デバイス候補
Plaud は、録音デバイスを手元に置いて使うAIボイスレコーダー型の候補です。
対面の商談・取材・打ち合わせなど、その場の会話をまず確実に録っておきたい人に向きやすい形です。
スマホを触らずに録音でき、録音用の道具を分けたい場面で使いやすい選択肢と言えます。
Notta Memo:文字起こし・会議メモ管理候補
Notta Memo は、文字起こし・要約・管理をソフト側でまとめたい人向けの候補です。
オンライン会議の音声や、すでにある音声ファイルを取り込んで整理し、会議メモとして蓄積・管理していく使い方に向きます。
端末を増やさず、手持ちの機器から始めたい人にも合います。
LINE WORKS AiNote:チーム・法人向けAI議事録候補
LINE WORKS AiNote は、チームや法人での会議記録の運用を想定したAI議事録ツールの候補です。
個人のメモ用途というより、チームで会議メモを共有・管理したい場合の比較対象になります。
利用条件や対応範囲、提供状況は変わることがあるため、検討するときは最新の内容を公式で確認してください。
ZENCHORD1:イヤホン型デバイスの補助候補
ZENCHORD1 は、イヤホン型・デバイス型の選択肢で、別の録音デバイスを比べたいときの補助候補です。
Plaud のような端末型を検討する中で、別のデバイス形態も見てみたい、というときに比較対象に入れられます。
主役というより、選択肢を広げるための候補として捉えると整理しやすいです。
自分の使い方に近いものから、内容を確認してみてください。
AI議事録ツールとAIボイスレコーダーの比較表
ここまでの分類を、タイプごとに一覧にしておきます。あくまで一般的な傾向の整理で、細かい機能や対応環境、料金は変わることがあります。
最新の内容は各公式サイトで確認してください。
| 比較項目 | AIボイスレコーダー型 | AI議事録ツール型 | チーム・法人向けAI議事録型 | イヤホン型・別デバイス型 |
|---|---|---|---|---|
| タイプ | 録音デバイス中心 | ソフトウェア中心 | ソフトウェア中心(チーム運用前提) | 録音デバイス中心(装着型) |
| 主な利用シーン | 対面の商談・取材・打ち合わせ | オンライン会議・音声ファイル整理 | チーム・法人の会議記録運用 | 対面・装着して録音したい場面 |
| 対面会議 | 向きやすい | 使えるが用途による | 用途による | 向きやすい |
| オンライン会議 | 用途による | 向きやすい | 向きやすい | 用途による |
| チーム共有 | 個人利用から始めやすい | 共有しやすい | 共有・管理に寄せやすい | 個人利用から始めやすい |
| 個人メモ | 向きやすい | 使える | 個人単独より組織向け | 向きやすい |
| 録音端末の必要性 | 専用端末を使う | 手持ちの機器中心 | 手持ちの機器中心 | 専用デバイスを使う |
| データ管理 | テキスト化後にアプリで確認 | ソフト側で蓄積・整理 | ソフト側で蓄積・共有・管理 | テキスト化後にアプリで確認 |
| 導入前に確認すること | 録音同意・機密情報・料金や対応環境(公式で確認) | 録音同意・情報管理・料金や対応環境(公式で確認) | 利用条件・提供状況・情報管理・料金(公式で確認) | 録音同意・対応アプリ・料金や対応環境(公式で確認) |
| 向いている人 | 対面記録を確実に残したい人 | オンライン中心で整理・共有したい人 | チーム・法人で運用したい人 | 別の録音デバイスも比べたい人 |
| 代表的な候補 | Plaud | Notta Memo | LINE WORKS AiNote | ZENCHORD1 |
選び方の基準
タイプの違いが見えてきたら、次は自分に合う形を選ぶ基準です。迷ったときは、次の4つの軸で考えると整理しやすくなります。
ひとつ、実務ならではの視点を足しておきます。
クライアントの情報を含む会議では、「どのツールが便利か」だけでなく、その記録を誰とどこまで共有してよいか、外部のサービスに送ってよいかという情報管理のルールも、選び方に関わってきます。
会議の種類で選ぶ
いちばん分かりやすいのは、自分の会議が対面中心かオンライン中心かで考えることです。
対面の商談・取材が多いなら録音デバイス型、オンライン会議が多いならソフト型のAI議事録ツール、という当たりのつけ方ができます。
両方ある場合は、まずどちらの記録をいちばん楽にしたいかを決めるのがおすすめです。
個人利用かチーム利用かで選ぶ
次に、自分一人で使うのか、チームで共有するのかで分けて考えます。
個人の商談メモや取材記録から始めるなら、録音デバイス型やソフト型を個人利用で試すのが手軽です。
チームで会議記録を共有・管理したいなら、チーム・法人向けのAI議事録ツールも比較対象に入ってきます。
録音端末が必要かで選ぶ
専用の録音端末を持つかどうかも、分かれ目になります。
手元に録音用の道具を分けて持っておきたいなら端末型、端末を増やさず手持ちのPCやスマホで始めたいならソフト型、という選び方ができます。
外出先での録音が多いかどうかも、ここで考えておくとよい点です。
情報管理ルールで選ぶ
最後に、扱う情報の管理ルールも選ぶ基準になります。
会議の内容や音声データを外部のサービスに送ってよいか、社内や取引先のルールはどうか。
機密性の高い会議が多いなら、そもそもどのタイプをどう使うかを慎重に判断する必要があります。
便利さだけでなく、情報の扱い方から逆算して選ぶ視点も大切です。
自分の会議スタイルに近い軸から、用途に合う候補を確認してみてください。
Plaud と Notta Memo のどちらにするかでさらに迷う場合は、「PlaudとNotta Memoの違い」で利用シーン別に整理しています。
導入前の注意点
どのタイプを選ぶ場合でも、録音と会議の記録を扱う以上、先に確認しておきたい点があります。ここを押さえておくと、導入後に困りにくくなります。
録音同意を取る
会話を録音するときは、相手に伝えて同意を得るのが基本です。
「記録のために録音させていただいてもよいですか」とひと言確認するだけで、相手の受け取り方は変わります。
なお、録音に関する法的な扱いはケースによって異なり、この記事で「録音してよい・いけない」を断定することはできません。
判断に迷う場面では、自分の状況に合わせて確認してください。
会社や取引先のルールを確認する
会議の録音や、外部ツールへの音声データのアップロードについて、自社や取引先にルールがある場合があります。
特にチームや法人で導入する場合は、誰がどの会議を録音・共有してよいかを、あらかじめ決めておくと運用がスムーズです。
導入前に、社内と取引先のルールを確認しておきましょう。
プライバシー・個人情報・音声データの扱いを確認する
会議の録音には、参加者の声や名前、連絡先、取引内容など、プライバシーや個人情報にあたる情報が含まれることがあります。
ソフト側で文字起こし・要約を行うツールでは、こうした音声データや会議内容が外部のサービスに送信・保存される可能性があります。
どこにどう保存されるか、共有される範囲はどこまでかといった点は、各サービスの説明を確認しておくと安心です。
個人情報や会議内容の扱いについて、自社や取引先のルールとも照らし合わせておきましょう。
機密情報を扱う会議では慎重に判断する
未公開の経営情報や契約に関わる内容など、機密性の高い会議では、録音やツールの利用に慎重さが必要です。
「機密情報でも問題ない」と言い切れるものではありません。扱う情報の重要度に応じて、そもそも録音するか、どのタイプをどう使うかを判断してください。
迷ったときは、使わない選択も含めて検討するのが安全です。
AIの文字起こし・要約は人が確認する
繰り返しになりますが、AIの文字起こしや要約は常に正確とは限りません。
数字や固有名詞、決定事項のニュアンスなど、間違うと困る部分ほど、人の目で確認する価値があります。
どのタイプを選んでも、AIの出力を最終的に人が確認する作業は残ります。
まとめ:道具ではなく運用で選ぶ
AI議事録ツールとAIボイスレコーダーは、どちらが優れているかではなく、得意な場面が違う2つのタイプです。
選ぶときは、道具そのものより「自分がどう会議を記録・運用したいか」から考えると判断しやすくなります。
対面中心ならボイスレコーダー型
対面の商談・取材・打ち合わせが多く、その場の会話を確実に録っておきたいなら、Plaud のような録音デバイス型が向きやすい形です。
別のデバイス形態も比べたいときは、ZENCHORD1 のようなイヤホン型も候補に入れられます。
オンライン・共有中心ならAI議事録ツール
オンライン会議が多く、文字起こしや要約をソフト側で整理・共有したいなら、Notta Memo のようなソフト型が向きやすい形です。
チームや法人での運用を考えるなら、LINE WORKS AiNote のようなサービスも比較対象になります。
混在するなら用途を分ける
対面もオンラインも両方多い人は、無理に1つに絞らず、用途を分けて考えるのがおすすめです。まずどの記録をいちばん楽にしたいかを決め、優先用途から試してみてください。
どのタイプを選ぶ場合も、録音同意・プライバシー・機密情報への配慮と、AI出力を人が確認する作業は忘れないようにしましょう。
あらためて、選び方を3つの分かれ道で整理しておきます。
対面での記録をいちばん重視するならAIボイスレコーダー系、オンライン会議の整理を重視するならNotta Memoのようなソフト型、チームでの共有・管理を重視するならAI議事録ツール系から確認してみてください。